1.はじめに |
2ストだし社外チャンバー付けてるし、やかましいのはどうしようも無いと思っていたのだが、法律改正で社外マフラーが騒音規制の対象になるし(うちみたいなのは対象外だけど)、それよりもエンジンを掛けると犬に吠えられたり、小学生が振り返ってこっちを指さしたりするのがちょっと嫌になってきた。
と言う訳で、色々と消音対策にトライしてきたのだが、最終的にやかましいのは排気音じゃ無く、吸気音であるという結論に至ったのだった。
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2.エンドバッフル |
リブラ☆プロ純正マフラーのグラスウールを巻き直す間に使っていた激安中華マフラーが結構静かだったので、これはマフラーエンドに付いているパイプで排気口の径が絞り込まれているためだと思い、マフラーの出口の絞り込みにトライ。
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マフラーの出口は 30φのサイズなので、ハンズで直径 30mm 、厚さ 10mm のアルミブロックを買ってきて加工。
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4mm のドリルで円周上に穴を開け、糸鋸でカットして半月やすりで整えて、直径 18mm 程の穴を開けた。
もう汗だくだし手は痛いし、二度とやりたくない類いの作業。
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で、取り付けてみたのだが、音量も音質もほとんど変わらず。
よくよく考えてみたら、確かにこのマフラーの出口は 30φだが、これはデザインだけのダミーパイプで、実際の排気管の出口の径は 18φしか無い。
出口の口径を絞ったつもりで実は全然変わってなかったって事ね。
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4.エンドパイプ |
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ほいじゃ、中華マフラーは出口が長いパイプになっているので、そのパイプに消音機能があるんじゃ無いかと思ってアルミパイプを突っ込んでみた。
最初に買ってきた18φ1m長の物をそのまま突っ込んでみたら、これが静か。
音質もパンパンからポンポンに変わって、耳障り度が大分少なくなった。
でもそんな竹槍マフラーで走るわけにはいかないので、下向きになるようにちょっと曲げて、短くカットして付けてみる。
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音質も低くなって大分静かに感じるのだが、あまりにも不細工。
また、アイドリングや低回転時は良いんだけど、回転を上げるとやっぱりガーッと言う音でうるさくなってくる。
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とりあえずこいつの妥協案がここ。
パイプはぎりぎりでカットして飛び出さないようにして、排気口とこのパイプの間に、気持ちだけでも脈動を吸収するような気室が出来るようにした。
付けて無い時より音質が低音拠りになって、パンパン言う耳障りな音は少しだけ低減。
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5.パワーフィルター |
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アイドリング時は比較的静かなのに、スロットルをある程度開くとやかましくなってくるので、実はやかましいのは排気音じゃ無く、吸気音じゃ無いかと疑い始めた。
ファンネルそのままよりもスポンジフィルターを被せた方がちょっと静かになったし、周りが囲まれたパワーフィルターならもう少し静かになるんじゃ無いかと思って試してみたけど、全く何ら変わらず。
カバーで囲ったりしてみたが、音量には全く変化が無かった。
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6.自作レゾネーター |
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車やバイクの吸気管にはレゾネータという物が付いていて、共鳴の原理で吸気音を消しているというのを聞いたので、じゃぁと思って作ってみた。
アルミパイプの付いている部品は、一応ヘルムホルツ共鳴で音を消さんと作ってみた部品。
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キャブレターが一気に空気を吸い込む時の音が共鳴器で打ち消されてくれないかぁと思ったんだけど、取り付けて走ってみた所、物凄く重低音の聞いた、まるで4ストのようなドムドムドムドムという排気音(吸気音)になった。
共鳴による消音じゃ無く、共鳴による低音の増強、すなわち結構良い性能のバスレフ型スピーカーを作ってしまったわけです。
張りのある音が好きな人には良いかもしれないけど、自分的には完全に失敗。
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7.行き着く先 |
色々やって色々考えた結果、まず排気音並に吸気音が爆音なのは決定。
で、吸気音を消すには、ある程度の容量を持った堅い箱をキャブレターに繋いで、空気を吸い込む際に発生する脈動を和らげ、また発生する音が外に伝わらないようにする(コンデンサーによる平滑回路と厚板による防音だな)って、要はエアクリーナーボックスが必要って事なんだな (--;
と言う訳で、百均やらホームセンターやらで色々探して見たんだけど、どうにも使えそうな物が無く。
これは合板かアルミ板で自作するしか無いのかなぁと考えてたんだけど、自作するにしてもとりあえずサイズ感とか確認するのに純正のエアクリーナーボックスが欲しいなぁと思ってヤフオクで探してみたら、これまた偶然にいくつか出物があって、安値で一つ落札出来てしまった。
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で、届いた物を合わせてみると、意外な事に特に酷い干渉も無くはまってしまう。
キャブレターの口との位置関係もこんな感じで、サイズが違うだけで位置はほぼ一致。
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上部はスロットルワイヤーがちょっときつく当たっているけど、このままでもスロットルは動作する(ちょっと堅いが)。
この部分だけ、少し逃げを作る事が必要かな、という感じ。
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これはいけると判断して、先ずは逃げ部分をちょっと加工。 |
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ミニトーチで両面を炙って、柔らかくなった所でドライバーの柄を当てて引っ込ます。
とっても適当。
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木工用のホルソーで、元のインシュレーターの穴を 50φに拡張して、風呂釜用パイプを切った物を突っ込む。
実はパイプは反対側を使おうと思って切ったので、こっち側の切り口はめっちゃ汚い
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中はこんな感じ。
パイプの径が 52mm 程度なのに対して穴が 50mm なので、丁度良い感じにパイプがケースに密着してくれている。
と言ってもそのままじゃ心許ないので、位置決めが全部終わってからバスコークで接続部分を埋めて固定&密閉した。
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タイトだけど、ホースバンドで締め付ける余裕は十分にある。
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エアクリーナーはデイトナのターボフィルターを使用。
もっと安いのでも良かったんだけど、極力吸気抵抗を少なくしたかったので、乾式のこいつを選択。
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パンチングメタルは消音のための物だそうだ。
空気がこの穴を通る時のヘルムホルツ共鳴を利用して、この穴のサイズだと高音を打ち消しているのかな。
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フィルター装着!
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蓋締めようと思ったら、ゴムの先が、接着剤の劣化で取れた。
仕方ないのでスーパーXでくっつける。
この部分で低音を打ち消すのかな。
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できあがり。
なんか見事に付いてしまった。
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8.効果 |
わははははと、笑ってしまうほど静かだわ (^^;
空気の吸い込みが悪くなった分、上の方の回転の上がりが鈍いのと、開き始めに息をつく現象が再発したけど、メインジェットを 167.5 から 165 に落とし、ニードルのクリップを一番下に落とすことで解消。
アイドリング付近が濃い感じがあるので、もしかしたらスローを落とした方が良いのかもしれない。
が、セッティングを突き詰めるのならそうなんだろうが、普通に考えると十分にパワフルで十分によく回って十二分に静かだ。
冗談抜きに、スピードを上げるとジェットヘルの風切り音でエンジン音が聞こえなくなる。逆に言うと、2ストとしては物足りないぐらいの静かさだ。
ああ、これで犬にも吠えられないし、小学生にも指さされずに済むなぁ (^^;
【補足】
やっぱり下の方が濃い感じなので、スロージェットを落として、SJ 15.0, MJ 160, ニードルクリップ最下段、エアスクリュー 2.5 回転戻しに変更。
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9.ちょっと足りん (2016/9/23 追記) |
しばらくこれで走ってたんだけど、どうにもスロットルを開いた時の反応が鈍く、ジワジワと回転数が上がっていく感じだ。
これはやっぱり吸い込み量が足りないんだなぁ。
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と言う訳で、ドリルとリーマーで20φの穴を2個開けて、一応消音のために内径 18φのアルミパイプを差し込んだ。
計算上は元の吸気量の 1.5 倍ほどになる。
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で、効果はしっかりあって、エンジンの回転は素直に上がっていくし、それまではちょっとスカスカな感じだったのが、ググッとパワーも出てくる感じになった。
ただ、音はちょっと大きくなりましたねぇ。低域からちょっと野太いボボボボボという音が増え、5〜6千回転ぐらいのところがちょうど共鳴周波数なのか一時的にその音が大きくなる。
ただまぁ、今まで静かだった分より大きくなっただけで、それまでの爆音に比べたら断然静かではあるんだけどね。
音とパワーのトレードオフとしては、良かった感じかな。
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