クラッチカバーの再塗装とクラッチ交換

 
1.はじめに

クラッチカバーは錆で塗装が浮いたりして、結構ボロい感じ。

他もボロい間はそれほど気にならなかったんだけど、色々と弄って新しい部品が増えてくると、ここだけ目立ってきてなんとかしたくなってきた。

とはいえ、塗装のためにクラッチカバーを外すとなると、パッキンはもちろん、ミッションオイルは交換しないといけないし、そこまでするのなら強化クラッチも入れたいし。塗ってる間はバイク動かせないので、カバーだけ買うとか考えないといけないし。

とか考えてたら結構時間が経ってしまったんだけど、中古のクラッチカバーが手に入ったので、本格的に再塗装作業を開始した。

 
2.何から始めているのやら

で、まずは買ったクラッチカバーから色々外した訳なんだけど、タコメーターギアとウォーターポンプのメカニカルシールの抜けない事抜けない事。

タコメーターギアはクラッチカバーの内側から貫通ドライバーをあてがって、ハンマーでガンガン叩いて打ち抜き、ウォーターポンプのメカニカルシールも、カーバー内側のベアリングを引っこ抜いた後、サイズの合うソケットをあてがって、ハンマーでガンガン叩いて打ち抜いた。

メカニカルシールはぐにゃりと曲がって外れたけど、これはこんなものらしい。

で、何から始めたかというと、タコメーターギアを外した後の穴をふさぐためのプラグ作り(笑)

ギアを抜いた後の穴のサイズを測ると、内径 15mm、外径 20mm なので、その辺で売ってる アルミ棒を組み合わせたら出来ると踏んで制作開始。

実際には 15mm はタコメーターワイヤーの先端が入る部分で、メータギアのパッキンから先は 14mm だったので、棒ヤスリで現物合わせしながら削った。

で、先端に 20mm のアルミ棒をカットした物を、蓋としてネジ止め。

 

 

最後にタコメーターワイヤーの抜け止めのネジが入る部分を適当に削って完成。

と、思ったが、よくよく考えると蓋をしなければいけないのはタコメータギアのパッキン部分で、タコメータワイヤとケースとの間じゃ無い。

と言う訳で、ヤスリでシコシコと溝を掘って、Oリングをはめた。

後でよくよく考えたら、金ノコで溝を掘るか、リューターで削った方が楽だったような (^^;

何にしろ、こんなの卓上旋盤が一つあったら簡単にできるんだけどなぁ (--;

   
3.次に作り始めたのがこれ

なかなか作業を始める気にならず、次に始めてしまったのが、これ。

クラッチカバーに貼るオイル量のシール。

右は文字にミスがあったのと、印刷を黒オンリーにしなかった失敗作 (^^;

   
4.漸く作業開始

重い腰を上げて、漸く作業開始。

先ずはホルツのリムーバーをベタベタ塗って一通り塗装を剥いで、細かい所とかをサンドブラストで削る。

毎度ながら、ちょっとでも油分とか水分が残ってると、そこには砂がくっつくだけで、全然削れないんだよなぁ。

ウォーターポンプカバーもブラストして、塗装剥がし完了。

ウォーターポンプとキックの所をマスキングテープで塞ぎ、クラッチアームやタコメーターギアの穴等に詰め物をして、先ずはサフェーサーを噴く。

乾燥したら軽く水とぎして、洗って乾かして下地処理完了。

色はホイールと同じダークグレーメタリック。

塗り終わったら一週間ほど乾燥。

塗装が乾いたら、ウレタンクリアーを噴く。

ちょっと多めに作ってしまったのでたっぷり噴いたら、もうヌメヌメな仕上がり。

このクリア皮膜が落ち着くには、1〜2週間掛かるなぁ。

   
5.シールの組み付け

ウレタンクリアが固まったら、メカニカルシールの圧入。

水道管の継手に、メカニカルシールのフランジ部分をちょうど良く押さえるサイズがある。

圧入の方が打ち込むよりも安全に作業出来るんだけど、今回はウォーターシールが寸切りボルトのネジに当たって、シールが傷つかなかったかちょっと心配になった。

次やる事があったら、もうちょっと細い手の寸切りボルトを使わんといかんなぁ。

メカニカルシール、きれいに入った。

 

裏側のベアリングも圧入するんだけど、先にベアリングを入れた方が楽だったかな。

前に作ったタコメーターギア部の蓋も取り付けて、一旦完成。

で、クラッチキット買えるお金が出来るまで、しばらく休眠。

   
   
6.レーシングクラッチキットと一緒に組み立て

ボーナスも入ったので、ようやく作業再開。

どうせクラッチを交換するのなら、3枚ディスクから4枚ディスクにしたかったので、キタコのレーシングクラッチキットを購入。

こいつにはクラッチプレートが1枚付いてくるから純正部品で2枚買えばクラッチプレートも全部新しくなると思ってたら、なんとまぁキットに付いてくるのは単に鉄板を打ち抜いたツルツルの物で、純正品のようにエンボス加工された物じゃ無い。

ちょっと失敗したなぁ。けちらずにクラッチプレート3枚注文すればよかった。

そのほかノックピンとかOリング、ワッシャ、ボルトの類いを注文。

作業開始。

先ずは冷却水とオイルを抜く。

カバーを取り外したところ。

ガスケットが張り付いてしまって全然剥がれない。

極力何も外さずにクラッチ交換しようと思ったんだけど、キックペダルのギアの所にはスクレーパーも手も入らないので、仕方なく外してガスケットをこそげ落とす。

古いガスケットが全部取れたので、ようやくクラッチの分解開始。

古いフリクションディスクは摩耗&偏摩耗しまくっていて、場所によっては使用限界の 2.5mm を切っていた。

そりゃぁ、タッチも悪くなるわなぁ。

新しいフリクションディスクとクラッチプレートにオイルをたっぷり塗って組み込んでいく。

元通りに組み付けて、キックギアも取り付け。

クラッチセンターを締め付ける際、その辺に転がっていたものを回り止めにしたんだけど、締め付ける際にクラッチセンターがずれて、プレッシャープレートと当たってしまってクラッチ板が動かなくなってしまった。

当たらないように気をつけながら再度締めたんだけど、やっぱりクラッチアウターホルダー使った方がいいのかなぁ。

で、このレーシングクラッチキットのクラッチセンターには、ロックワッシャーを引っかける山がない。

とりあえずワッシャがクラッチセンターに引っかかるようにちょっと曲げて取り付けたけど、後で調べたら89年式からこのロックワッシャーは廃止されているみたいだ。

ノックピンつけてガスケットはめて、ここでようやく再塗装したカバーの登場。

ウォーターポンプの羽はワイヤーブラシで掃除して再利用。

ワッシャーとパッキン、ナットは新品に交換。

ウォーターポンプカバーも付けて配管して、水と油を入れて完成。
おっと、作ったシールも貼らなくっちゃ(笑)
   
   
7.完成

ようやく完成。

とにかく見てくれは良くなりましたね (^^)

クラッチの方は、前に比べて切れと繋がり、半クラがはっきりする感じになりましたが、ものすごく大きく変わったかというと、それほどでもなく。

ただ、乗りやすくなりましたので、満足です(笑)