ACEWELL デジタル多機能メーター

 
1.はじめに

NSR50 のスピードメータとタコメータは、元々はカウルステー兼用のステーでフレームに固定されている。

ネイキッド化する際にそのステーは外し、アルミ板で自作したステーでメータを取り付けたんだけど、元々スピードメータとタコメータのワイヤに逃げが作られてないので、どうしてもヘッドライトと干渉する。

また、スピードメータのワイヤーも長さに余裕が無く、結構無理矢理ねじ曲げて取り付けているし、と言って 100mm の延長コネクタを使うと今度は長過ぎるし。

タコメータのワイヤーも大分きつく曲げて、そもそもがあんまりパワーがないのに、こんなにタコメータワイヤーでパワー食っても良いんだろうかという感じだし、そのせいか高回転になると針が踊る事もしばしば。

そんなこんなが嫌になって来て、メータ交換したいなぁという欲求に勝てなくなってしまったのだ。

 

と言う事で、さんざん色々悩んで考えたあげく、 ACEWELL の ACE-2802 という多機能メータを購入。

電タコと電スピの2連メータにするという考えもあったんだけど、やっぱりシンプルに1つにまとめたかった。

また、今までの色んなトラブルから、電圧計と水温計は絶対に欲しかったので、それらも内蔵した ACE-5652 か ACE-3963 と最後まで迷っていたんだけど、値段が1万円以上高くなるのと、やっぱり電圧計と水温計は今まで使っていた別体の方が使いやすいだろうと思って、こいつに決定。

まぁ、本当の事を言ったら、お金が許せば針式タコの ACE-6000 シリーズが欲しかったんだけどね。

 
 
2.さて、付けようか

まずは 3mm のアルミ板でステーを作成。

ボール紙を切った貼ったして形状を決め、アルミ板に写し取ってドリルと金ノコとヤスリでコツコツ切り出し&仕上げ。

 

こんな感じで付いた。

メータのサイズは思ったより小さい。右側の電圧&水温計の方が大きく見えるぐらい。

ちなみに電圧&水温計の下にあるのは、こいつのリセットスイッチ。

安物中華品だけあって、HID の点灯時のノイズで表示がおかしくなるので、電源を入れ直すスイッチを取り付けている。

タコメータの信号はハイテンションケーブルにアンテナ線を巻き付けて取り出し。

配線完了。

アクセサリ電源、バックアップ電源、アースの電源線3つと、ウィンカー左右、ハイビーム信号、オイル警告灯信号、ニュートラル信号を繋ぐのだが、NSR 50 はバックアップ用の常時12V以外はフロントのコネクタに信号線が来ているので、楽と言えば楽。

バッテリーからの 12V 線は、タンク下のコネクタに来ているのでそこから伸ばしてくる。

ただ、オイル警告灯の信号線だけは、NSR50 はオイルが無くなるとアースに落ちるマイナスコントロールなんだけど、このメータはプラスコントロールになっているので、点灯させるには信号をひっくり返してやらないといけない。

なので、この線だけは接続を後回し。

スピードメータのセンサーは、元々のスピードメータのワイヤーの先に取り付ける形式。

スピードメーターワイヤーを邪魔にならず、且つ無理なまげにならない様な状態にして、タイラップで固定。

本当はデイトナの様にメータギアの所に直接取り付けられるものならばすっきりするんだろうけど、コストの都合上これは諦めるしか無いか。

元々のメータよりも、物凄くすっきりした感じ。

夜間モード。

バックライトはちょっと暗めだ。

 
3.セットアップ

まずはタコメータのセッティングなんだけど、これが何かちょっと分かりにくい。

デフォルトの設定が「1.0」で、これはエンジン1回転あたりに1回火花が飛ぶという設定だろうから2ストはそれで良いやと思ってたら、回転数の表示が半分にしかならない。

説明書を良く読むと「1点火あたりエンジンが1回転する」とあるんだけど、この1回転とはどうも4ストの1行程の事を言っているらしく、2スト換算だと「1回転で2点火= 0.5 点火で1回転」が正しい設定の様だ。

次にスピードメータの設定だが、これは NSR 50 のメータギアの規格が「 60Km/h=1400RPM」なので、出荷時設定の 715mm/1回転のままでOK。

一応 iPhone に GPS スピードメータアプリを入れて走行確認してみたけど、誤差無くぴったり。

 
4.使った感じ

スピードメータは文字が大きくて見やすいけれど、バーグラフタコメータは、ああ、まあそんな感じかなぁって感じ。500 回転単位なので動きが粗いし、やっぱり針式に比べたら見にくいし。

慣れたらこのぐらいの回転数かなとあたりは付くけど、針式みたいにぱっと見で今何回転だからシフトアップってな用途には使えない。

回転数表示の方はまあまぁ使えるけど、100 回転単位というのは2ストでは微妙かなぁ。

小排気量2ストは回転変動が激しいので、5900 と 6000 の間を行ったり来たりでちらちらするという時が少なく無く、結構気になる。

また Webike の評価とかでも書かれているけど、インジケータの LED が暗く、日中だと点灯しているのかどうか分からないぐらい。でもハイビームインジケータだけは明るく、ちょっと眩しいと感じるぐらいだ。
自分でバラせるタイプなら高輝度 LED に交換してしまうのだが、如何せん完全密閉タイプなので、どうしようもないんだなぁ。

 
4.オイル警告灯

残るはオイル警告灯なんだけど、何はともあれオイルタンクのセンサーが正常動作するかを確認したら、これがまた接点は汚れてるわ曲がってるわで、全然まともに動作しない。

パーツクリーナーでもキャブクリーナーでも歯が立たず、結局サンドペーパーで丁寧に磨いて、ようやく正常動作。

次にオイルセンサーが閉じてアースに落ちて回路が閉じた時に、メータのオイル警告灯に 12V が供給される様にしないといけない。

リレー1個で簡単に作れるんだけど、たまにはトランジスタで作ってみる。

でも手持ちは 2SC1815 しか無かったのでマイナスコントロールは作りにくく、電流容量も足りなかったので、コレクタ電流 500mA、最大コレクタ損失 625mW の 2SA719 という奴をヤフオクで落札して使う事にした。

こいつなら十二分に LED をドライブできるし。

回路完成。めっちゃ単純。

これをホットメルトで固めて、ビニールテープで巻いて防水。

フロントに来ているハーネスのカプラーから、アクセサリ電源とオイルセンサーのラインを取り出して接続し、出力線をメータのカプラに繋いで完成。

テストでも問題なく点灯、オイルの残りが少なかったので、しばらく走った所で時々点灯し始め、動いてる事も確認完了。