ブレーキキャリパとマスターシリンダ

 

フロントブレーキのマスターシリンダとキャリパーだが、まあ当然のごとくと言うか、物凄い状態。

マスターシリンダーはリザーバータンクのコケ傷が激しく、片方はパッキンのプラスチック部分が顔を出している。キャリパーも固着してほぼ動かない状態。

リアブレーキのマスターシリンダーとキャリパーはそれに輪をかけてすごく、まずマスターが固着して動かない(なんじゃそりゃ)。キャリパーも推して知るべし。

フロントのマスターはもう FRANDO のラジアルマスターでも買おうかという気にもなったんだけど、そこまでお金をつぎ込んでもなぁと思って、整備して使う事に。

まずはフロントのキャリパーのオーバーホールから。

NSR50 のキャリパーは、パッドピンに蓋が付いているという特殊な構造なんだけど、その蓋がまた固着していて硬い!。何とか外して、パッドピンを抜いたのだが、ピストンを外そうにもびくともしない。

ピストン抜きの工具では全く歯が立たず、コンプレッサーでエアーを送り込んでもびくともせず、と思っているうちに、エア圧を上げたら「ボン!」という音と共にピストンが飛んで行った(危ねぇ〜)。

取り敢えず、外れたピストンもキャリパーの中も掃除すればまだまだ使える状態だったのが救い。

で、外したシールはヒビも無く、一見再利用出来そうだったのだが、ピストンにはめてみると隙間だらけのガタガタで、結局交換要。

ブレーキパッドは残量はあるのだが、磨かれた様にカチカチのツルツルで、果たしてこれで効くのかという感じ。でも取り敢えずこれでいく事にする。

マスターシリンダーは、リザーバータンクの中にタールの様なものが溜まっていて、フルードが流れる穴を塞いでいる。

Cリングを外してピストンを抜いて掃除しようとしたんだけど、このリングの嵌まっている所が深く且つタイトな為、先端交換式のリングプライヤーではガタがありすぎて中々外すことができなかった。

やっぱり工具はちゃんとしたものが無いと苦労する。

抜いたピストンもシールも特に問題はなかったので掃除して再使用だが、ラバーブーツはボロボロで切れていた為、これだけは交換する。

パーツ類はいつもの様に Web!ke で注文したんだけど、ヤマハと違ってホンダはオンラインでのパーツ検索が出来ないんだねぇ。

ネット上にパーツリストは沢山アップされているのでダウンロードして使っているけど、ちょっと不便。

内部を掃除したキャリパーのボディにシリコングリスを塗ったシールを組み付け、耐水ペーパーで軽く磨き、ピカールで仕上げたピストンをはめ込む。

NSR50 のキャリパーは、フロントが2ピストン、リアがシングルピストンのフローティングタイプ。

ブーツにたっぷりシリコングリスを充填し、スライダーにも塗って組み立て完了。

リアのマスターシリンダーはブーツとプッシュロッドは問題無く外れたものの、ピストンが固着して全く動かない。

結局フルードの送出口が先端にあるのをいい事に、そこから棒を差し込んでハンマーで叩いてピストンを取り出したが、リアブレーキは片方の車両にしか付いてなかったし、これが使えなかったら中古を買うしか無いなと思っていた。

磨いた後は軽くきちんと動作する様になったので、使用には問題無いだろう。

 

マスターシリンダーの塗装が大分ぼろぼろになっていたので、ちょっと気分を変えて金色に塗装してみた。

ブレーキペダルは先が削れ、相当錆が浮いていたが、曲がりを直してワイヤーブラシで錆を落とし、銀色に塗装。

 

ステップにマスターシリンダーとブレーキペダルを取り付けて、車体に留めてみた。

この後ブレーキスイッチ本体とバネを手に入れて取り付けたが、写真を撮った時点では、まだスイッチは無し。